2012-01-01から1ヶ月間の記事一覧

名前ノーネイム

題名をつけるのを忘れた文章 読者がそれぞれ題名をつける 名前のない人に実は名前があったように 隠された意味を探す夫婦 交差点に長机を置いて数を数える よけて行く車に顔はない 鏡に答えを映して暗号にする 絆と書かれたスナックで無銭飲食 箱庭の中でず…

新種発見

見たこともない昆虫を発見して 喜んで帰る そこで終わりだったら 良かったけど 新しい訳でなく 知らなかった だけだと 世界は広い 窓から飛び立つ昆虫は それだけを 言い残して 去って行った

隠す

革命を起こしたコオロギは 知らぬ間に車にペチャンコ 墓標もない いたことさえも 日々 何気ない 日々 生きる 兎に角 それが 墓標になる

俺は錆びついた人間 記憶装置は半分壊れている 若い頃鍛えた右腕もとれかかってる 空は青いのか灰色なのか 穴の空いたモニターからは ヒューヒューと情熱が最期の湯気を立てる 雪を被った山の麓 赤いトタン屋根の家 雪融け水でグチャグチャになった泥道を 子…

雪投げ

投げた雪がお月様にぶつかって 今日は火花散らした三日月の夜です びっくりしたうさぎたち 足跡つけて山へと走る

おもちちゃん

おもちちゃん きみ すぐにふくれて おもちちゃん 黒くこげたりするんだねおもちちゃんおもちちゃん きみ かちこちなんだね おもちちゃん 気持ちまでかちこちかいぼくのストーブに乗っかってごらん くにゃくにゃくにゃっと笑ってごらんおもちちゃん

忘れた

思い出せないものだらけ もし何も思い出せなくなったら 忘れたこともわからなくなったら 人は何を思い生きればいいのだろうか 忘れたいことがあるのは そういう意味では 生きる 幸せ なのか

自転車操業

点描画の空に 自転車操業の俺の歯車が音を立てる こぼした君の水彩絵の具は いつまでも滲み続けている 偽物日曜日に気持ちは曇る 騙した泥棒は騙されいる事も知らずに 日曜日と思ってお茶している 自転車操業の俺は沈みかけた夕日に 追いつくために ただひた…

ハート通信

もう話せない君とハート通信 元気ですか?元気じゃないからハート通信 離れてみてわかるものがあるハート通信 思い出が胸に灯るよハート通信 また会える日までハート通信

じぶんがジブンで在るために

悲しみは姿を変えて 雪解け水の小川の中で 春の亡骸になる ネジのこぼれた君の頭に 小鳥たちが花を差す じぶんがジブンで在るために伝言ゲームで伝わった真実だったんだ ババ抜きのババだったんだ なんでもないさと黄色信号 タイミングの悪い笑い声は 台本の…

半日町

西に山がそびえるこの町は 陽が沈むのが早い 足音を追いかける影男もコートの襟を立てている このエリアの温泉宿の煙突から行方知れずの 白い煙が流されていく 今日は何かあったっけ? 急ぎ足で沈む夕日に問いかけながら カレーライスの帰り道 ゆっくりと車…

文化的

今日は文化的 明日も文化的 明後日は野性的 でもやっぱし文化的 文化的って何?

ザッパ人形

ぶちまけたストロベリーケーキ 振り向けば元に戻ってる ぶちまけたストロベリーケーキ 振り向けばそこにはない 残像に火を灯して 燃え上がるフィルム 上映されながら消えていく 胸にヒラヒラ コトバを落としながら ヒビ ヒビ ワレ ワレ ヒビ ワレ ワレ

歯ブラシの森

迷い込んだ森は歯ブラシの森だったので 全身泡だらけ 垂直跳びで逃げようとしたら 青空を突き破って 釣り堀にポチャン 魚たちが首を振っている 釣れない土曜の午後

リリとララとルルとレレ

煙突から上がる煙が今日のニュースを伝える ダイサギの社長はコルビジェの喫茶店でドジョウを飲んでる 胸のグラスの中で泳ぎ回る金魚 リリが投げるダーツが外れ 機関車は次の駅を止まるのを忘れる ララが蹴飛ばしたボールは 自動的にサッカーゴールに吸い込…

つづく

終わりだと思えばつづくと終わる つづきはいつのことかと 番組表を見れば真っ白の紙 ならば仕方ないつづき作りに行くかと いいてきます いってらっしゃ いざいざいざ ほい

スキー場

ブレーキの効かない物体が山の上から滑り落ちる 自由の効かない身体はもはや物体になり 身体に対して思い離れ身体は 筋肉痛という痛みを持って 反撃をしてくる 二つのものを一つにしようとするが 物体のままスキーを終えた夕方 温泉にて和平条約を結ぶ

きみの人生ぼくの人生

きみの人生はきみのもの 誰のせいにも出来ないさ ぼくの人生はぼくのもの 止めるならば変えよう

アンパン

茶色の大地に陽射しが落ちて 希望のような日溜まりを膨らます 割れた大地に柔らかな地層 甘い匂いは子供の頃に誘う 忘れていた安らぎを 午後三時に白い牛乳と仲良く笑う

珈琲カップの中で

珈琲カップの中で 一日を考える朝 雪帽子を被った山々が ストーブの上で溶けてゆく君の銭湯みたいな車が 湯気を立てる朝 昨晩落ちた星々から 芽吹く春の花休日を迎えた時計 彼女のワンピース うさぎが飛び回るのは 夢の続きの中で

もやし光線

斜線を引いた紫外線に 応援の声をあげた携帯の信号音は 見知らぬ人からのやさしい言葉だった 質量を持てない思い出化した導線に 火を付けるのは 見知らぬ人が急ハンドルを切る 突然の火花だった ムカつくーと顔を見せない道化師は 完成しないプラモデルの塗…

感じ検定

変換を間違えただけで 感じ方が変わるのであれば すぐに変われる すぐに今すぐに

みんなやさしい人

みんなやさしい人 子供の頃そう思ってた みんなやさしい人 青年の頃ちょっと違った みんなやさしい人 大人になって問いかける みんなやさしい人 みんなやさしい人

井戸ハウス

井戸の中奥深く寝床に寝転びながら 眺める満月の灯り 今日も何事もなく終わる ひとりの夜が来る井戸の中壁に描かれた絵を眺める テレビでしか観た事のない世界 敵や味方ってなんだろう ひとりじゃないってなんだろう井戸ハウスに生まれて 知っているのは月明…

鬼の形相

仮面ははがしたのに まだ鬼の顔をしている 言いたいことはたくさんあるけど 言うべきじゃなければ それはいつのまにかなくなる 鬼の仮面をはがそうとするけど 痛がる君と鏡に映る鬼の私

顔を見上げれば

顔を見上げれば空がある 天国は見えない 落し物を探して泥道に足を取られ いつのまにか今日も終わる どこでもドアでやって来た俺は 違う人生を歩んだなんて嘘を言う 今日は大型船が日を隠してるなあ なんて言っていると ビニールを貼られた脳天を大きな雨粒…

焙煎

焙煎された服を着る昨日 誰も気づかない知るはずもない 道路に撒かれた白い雪 僕が来ていた服は鎧だった それとも冷蔵庫だったのかも知れない落ちて来る星々をよけては スクラップされた人におみくじを渡す 印刷された運命を見ることはない ないないずくしの…

いい人とわるい人

いい人とわるい人がいるとおもったら そこにはひとりしかいなかった

茶碗

茶碗の中迷いこんだお米 おかずを乗っけられて食べられる 毎日生きるために茶碗の中になにもない 百円銀貨転がしてチリン お腹が空いた歴史なんて知らないけど 天井の梁に座るご先祖様が笑ってる割れた茶碗の悔しさを 割れない茶碗は知らない割れたら新しい…

年賀状

そこにあったことも忘れて 注文票に名前を書き入れている 古い年賀状を間違えて 今年来たものだと 引き出しから出し入れしていた あれから12年も経っていたことは 頭では理解しているはずだけれでも 大部分の思い出はホコリをかぶり 字さえも読めない 注文票…