2012-02-01から1ヶ月間の記事一覧

冷めた紅茶

テーブルに置かれた紅茶は やがて湯気は消え 冷たくなり もしかすると 忘れられてしまうだろう君のテーブルにあるカップは 湯気をたてているか と 冷たい紅茶をすする冬の夜

健康診断

会社にて巡回車による健康診断があった 仕事着を脱ぎレントゲン撮ったり 血液検査をやったり 肩書きを抜いで 身体を中心に視点を変えると 兎に角健康で生きるのでいいんじゃないかと パイプ椅子に座り考える Hさん10年前脳腫瘍の手術をして 慣れない医者を前…

中途半端

あなたは全部中途半端ねえと 妻に言われる 中途半端だけどしあわせには 真剣に中途半端に 取り組んでいるつもりです

それぞれの人生

それぞれの人生の中で 考えてみると人生は 今の繰り返しで それが人生になるとしたら しあわせになるべく努力をしなければならない などと普通の事を考える 普通のしあわせ

ストレス

年齢の重ね方でそれが分かる

愛のあるライオン

愛のあるオスライオンとメスライオンが 草原を歩いていた 愛のあるオスライオンはメスライオンを 愛していたが狩りが苦手であった やがて二匹は草原から消えていた愛はなくても強いライオンは 愛のないメスライオンとたくさんの子を作り 草原に子孫を作った…

ナマポ

生活保護の事をナマポというらしい その制度を上手く利用して 働けるような人もお金をもらっているらしい そしてそのお金をまた巻き上げようという ビジネスがあるらしい 自分の誇りを持つがために 申請すらしない人がいる中で その制度を悪用して働きもせず…

それぞれとはいうが死

ニュースでまた家族で餓死という報道 住民登録もせずに生活保護も受けず 静かにアパートで死ぬことを選んだというのは プライドがそうさせたのか 行政がそうさせたのか 生きていくをあきらめてしまう時 アパートの床の冷たさに 天井に映る染みに 何を感じた…

油断

人に隙を見せている訳じゃないが 知らず知らずに失敗していたりする それが失敗なのかは自分に問い詰めなければならないが 油断していた夜 ついつい眠ってしまった自分に 問いかける自分も夢の中

やさしい人

やさしい人だから許してくれるはずと やさしくないことをする人 やさしい人はやさしさについて考えてしまう やさしくない人にやさしさはやさしくないのではないかと やさしい人はやさしい店でやさしい酒を飲んでいる

運命

気の強い女が穏やかな男 背の高い男と背の低い女 対照的な結びつきが 平均に近づける そういう結びつきは 運命か 考える時がある

笑う

笑おうと思わなかったのに 笑ってしまった 俺はなんで笑わなかったのかと 憎しみに話しかける

俳優

演じる台本を落としてしまった男は 自分探しの旅に出てしまった

化粧

化粧をした言葉ばかりじゃ よそよそしくて すぐに剥がれてしまう

床屋

いつも行っていた床屋が やんごとなき理由で引っ越したため 近所に見つけた 理容業界売上日本一という看板を掲げた チェーン店に行ってみる 入店すると待合ベンチがなく 当然のように2番の椅子に案内され 不機嫌そうな若者が近寄って来て 何も言わずに椅子を…

さよなら無言くん

理不尽な一日に 空地に集まってしまったホコリのようなもの 優しい人だからこそ言える 理不尽な言葉はいつか 自分に跳ね返る はず 錆びる はず という はず 空地に吹き溜まるホコリに 火を放つと燃えること燃えること 火傷しそうになりながら 背中を丸める無…

長いお別れ

長いお別れ言うのは誰だ 振り向く昨日は無言だが 明日はすぐにやってくる 別れの暇はないじゃない

溜息熊

ため息をつく熊が 間違えて起きてしまった冬の日 せっかく起きたので 服を着てコーヒーを飲みに町へ行く 町は湯気をたてるため息が 輝く光に導かれて 冬の空をクリアにする

乱暴暖房

乱暴な暖房がゴーゴー怒り狂う 外は極寒にて静かに怒っている 僕は暖かい部屋で 窓ガラスのキャンパスに君を描く でもすぐに君は涙を流したと思うと 妖怪に変身して消えてしまう

沈黙カレー

沈黙を続ける山に話しかける だるまさん転んだ 沈黙を続ける海に話しかける だるまさん転んだ 沈黙を続ける君に話しかける 晩御飯まだ? 背中で答える君は湯気をたてていて カレーの辛そうな匂いが キッチンに充満している

100年後のカレンダー

機械油でなぞるアルファベット オークションで落としたカレンダーは 100年後のカレンダー 死んじまったおいらの 天国でのスケジュール 天井から落ちた火花が アルファベットを赤く燃やす 早く翻訳しないと バラバラになった意味が繋がらない

郵便桜

赤い郵便ポストに話しかけると 機関車が走り抜ける 忘れ物ですよと事務員さんは 青いインクの匂いがします あーなんて事です 今宵は満月に桜満開の 夢を見るのでした

眩しい国

世界には平和な国もあるけど まぶしい国もあるんだよ なんて娘が言うので 平和よりもっといい国って事?と問うと ?な顔してから あっ間違えた「まずしい国だ」なんて言う 一字違いで変わる世界もある という事を娘に教わったなと 食後のお茶をすする

家計簿

家計簿を付けないと 感情の収支が合わない

何処

眠れない僕の夜に 金色コオロギが歌うたう さよならぼくのともだち また会える日まで 約束はしないさとカーテン揺らす 眠れない僕の夜に 匿名希望の眠りに落ちる 夢は見ないさ機械じゃないさ ここは何処です 何処なのさ

待合室

待合室のベンチに座って 子供達と缶ジュース飲んでいる 救急車で運ばれたママを待っている ママと言うのはつまり子供達のママで 私の妻のことだ 子供達のパパである私は 大丈夫だよと 少し落ち着いた子供達の 今日行った遠足の話を聞いている 家族がひとりか…

ともだちと兵隊の休日

ともだちは何処にいるだろうと 自分の住んでいた領土を思う 国境線を超えたと思えば 雨上がりの蜘蛛の巣のように 朝日に輝く線が見える ともだちは何処だろうと 宛先不明の手紙を書き 紙飛行機を飛ばす 蜘蛛の巣に引っかからないように 僕の兵隊に休みをあげ…

夕食

フライパンを振りながら 寝転がりテレビを観る子供を叱る 宿題やっちゃえよ 明日遠足だからいいよ いいからやれよ 冷蔵庫の中の食材を出しながら メニューを決める そう言えば俺の宿題はいつ終わるのかな 叱る人もいない今

モニター画面

伝わらないこともある みんな自分の画面を見て 動いているから 画面が壊れている 訳ではないのか